収入アップや自分に合った働き方を目指して一人親方として独立を考える人が近年増えてきています。
一人親方は働き方に縛られない一方で、独立に必要な手続きをすべて一人で行わなければなりません。
また、万が一病気やケガをしたときの備えや老後の準備も自分で行う必要があります。
今回は、一人親方になるために必要な手順と保険などをまとめました。
- 一人親方の働き方
- 一人親方になるための事前準備
- 一人親方になるための手続き
- その他任意の手続き
- 一人親方のメリット
この記事を読んで、一人親方についてしっかり理解し、独立するための参考にしてください。
一人親方の働き方
一人親方として働く際には、企業に勤めている時と違い、仕事の獲得や調整からお金の管理まですべてを自分で行う必要があります。
一人親方は自分で仕事が獲得できなければ収入はありません。
たとえ獲得できたとしても、スケジュール管理が不十分であれば周囲に迷惑をかけてしまう可能性があります。
一人親方は、キャパを超えないように仕事を調整したり、ほかの仕事との兼ね合いを調整したり自分でマネジメントしなければなりません。
しかし、一人親方は自由がきくため、会社員と違って収入を増やしやすいのが特徴です。
会社に雇用されている場合、行ける現場が限られているため、収入にも限度があります。
しかし、一人親方の場合は他の現場とのスケジュールを調整して1日に数ヶ所を回り、収入を増やすのも可能です。
逆に、繁忙期でも家庭の事情や体調に合わせて仕事量を減らせます。
多くの仕事を獲得して積極的に収入を増やしたり、仕事量を少なめにしてプライベートを充実させたりと、一人親方はライフスタイルに合わせて働き方を変えられるのが特徴です。
一人親方になるための事前準備
一人親方になるためには事前の準備が必要です。
- 業務用のクレジットカード
- 作業車などの車両
- 人脈を広げる
- 資金調達
一人親方は会社員と比較すると社会的に信頼を得にくい職種です。
一人親方として独立した後に困らないよう、準備は入念にしておくとよいでしょう。
一人親方に必要な事前準備をまとめたので参考にしてください。
業務用のクレジットカード
仕事をする際に業務用のクレジットカードがあれば、備品調達などの支払いがスムーズにできます。
現金決済が基本だった人も、インターネット上での購買やソフトウェア導入を行う際には、クレジットカードが必要です。
一人親方として事業をする際には、業務用のクレジットカードを1枚契約しておきましょう。
また、一人親方は個人事業主のため、一般的な会社員と比較すると社会的信用を得にくい職種です。
そのため、会社員から一人親方になろうと考えている人は会社員でいるうちにクレジットカードを作成しておくとよいでしょう。
作業車などの車両
一人親方として事業を行う際には作業車などの車両が不可欠です。
車両代金を一括で払えない場合にはローンを組まなければなりません。
しかし、一人親方は会社員よりも社会的信用を得にくい職種のため、ローンの審査が通りにくい場合もあります。
そのため、一人親方として事業を始める際には、ローンを組める確率が高いうちに契約しておくのが無難です。
たとえば、会社員から一人親方になりたい人は、会社員でいるうちにローンを契約しておくと審査が通りやすいでしょう。
人脈を広げる
一人親方として事業を始める際には、人脈を広げておきましょう。
一人親方は、自ら仕事を獲得しなければならず、独立直後は収入が安定しない場合が多いです。
独立する前から人脈を広げ、仕事につながるような関係性を構築しておくと軌道に乗りやすいでしょう。
また、一人親方になった後も同業者や、異業種の知人などを増やすのも重要です。
知り合いから見込み客の紹介をしてもらえる可能性もあるため、仲間づくりは積極的に行いましょう。
資金調達
一人親方として独立する前にある程度の資金は準備しておきましょう。
一人親方は請け負う仕事の備品などを自分で調達しなければなりません。
そのため、収入が安定していなくても備品調達ができる程度の資金をあらかじめ準備しておく必要があります。
また、仕事が取れなければ収入もなくなってしまうのが一人親方です。
仕事が安定しないうちは資金を準備しておけば、営業戦略を焦らず中長期的に考えられます。
資金がないために目先の収益だけを考えていると、長期的な売り上げにつながらない場合もあるでしょう。
一人親方になるための手続き
一人親方になるためには大きくわけて4つの手続きがあります。
- 届出の提出
- 申請書の提出
- 国民年金の手続き
- 保険加入
一人親方は保険や年金の手続きを一人で行わなければなりません。
また、一人親方は企業に属していないため、公的に「一人親方」として認められるための手続きも必要です。
一人親方になるために必要な手続きをまとめたので参考にしてください。
届出の提出
一人親方になるためには、はじめに「開業届」を提出しましょう。
開業届を提出すれば、自分が個人事業主であると証明できます。
さらに補助金を受け取れたり、屋号での金融機関口座開設ができたりするのがメリットです。
開業届は、開業届と必要書類を用意し、税務署に提出すれば受理されます。
また「青色事業専従者給与に関する届出」も提出しましょう。
家族に対して支払った給与を経費として計上するために必要な書類です。
節税対策のひとつで、配偶者や親族への給与の支払いを経費にすれば、所得が大きく変わります。
ただし、「青色事業専従者給与に関する届出」を提出するためには、青色申告承認申請書も提出しなければならないので注意してください。
申請書の提出
開業届を提出する際に「青色申告承認申請書」も提出しましょう。
この申請書を提出すれば、税金面でさまざまなメリットが受けられます。
「青色申告承認申請書」は帳簿へ記載する手間がかかりますが、最大65万円までの控除が受けられます。
白色申告よりも税制の優遇が受けられるので、一人親方は青色申告承認申請書を提出するのがおすすめです。
また、「青色申告承認申請書」を提出すれば赤字を3年間繰り越せます。
独立して開業したばかりの頃は、初期費用がかさんで赤字になる場合もあるでしょう。
青色申告では「純損失の繰り越し」が可能です。
一人親方が青色申告をして、赤字が出れば税金は納めずに済みます。
その赤字は、翌年に繰り越され、一人親方が得た利益から赤字分を差し引いて計上できるのがメリットです。
さらに、「青色申告承認申請書」には提出期限があります。
「すでに開業していて、今年から青色申告をしたい一人親方」もしくは「1月15日より前に新しく開業した一人親方」の場合は、青色申告を受けようとする年の3月15日までに提出してください。
「1月16日以降に新しく開業した一人親方」の場合は、事業開始から2か月以内に提出する必要があるので注意してください。
国民年金の手続き
一人親方は、国民年金の手続きをする必要があります。
会社員であれば、企業が厚生年金への加入手続きを行ってくれるため、特に手続きは必要ありません。
しかし、個人事業主である一人親方は厚生年金に加入できないため、国民年金への切り替え手続きが必要です。
国民年金への切り替えをするためには、国民年金窓口へ必要な書類や持ち物を持参します。
また、令和4年5月よりマイナンバーカードとスマートフォンを持っている人であれば、電子申請(マイナポータル)での手続きが可能です。
電子申請であれば時間をかけず、24時間どこからでも申請できます。
保険加入
国民年金と同様に、健康保険も国民保険への切り替えが必要です。
会社員であれば社会保険に加入しているため、保険の手続きはすべて会社で行います。
しかし、一人親方は社会保険へは加入できないため、国民保険への切り替え手続きが必要です。
国民健康保険への切り替えは、住んでいる市区町村役所で行います。
原則として退職後14日以内に手続きを行わなければなりません。未納のままだと将来年金を受け取れなくなる可能性もあるので、十分注意してください。
国民保険料は、前年度の年収によって保険料が変わるため、保険料の支払いに備えておきましょう。
その他任意の手続き
任意で行うおすすめの手続きは4つあります。
- 任意の保険加入
- 小規模企業共済
- 業務用銀行口座
- 会計ソフトの導入
任意の手続きを行えば、万が一ケガをしても補償が受けられたり、業務の効率化ができたりするのでおすすめです。
強制ではありませんが、のちのち困らないよう参考にしてください。
任意の保険加入
一人親方は任意の保険加入をしておくとよいでしょう。
一人親方には、現場での事故の補償をしてくれる「土木工事保険」や、資材などが破損した場合に補償が受けられる「建設工事保険」などがおすすめです。
業務内容によって保険の加入も検討するとよいでしょう。
また、労災保険への加入もおすすめです。
労災保険は、本来個人事業主の加入はできませんが、一人親方は業務上でのケガや病気のリスクが高いため、特別に加入が認められています。
業務中に発生した病気やケガの治療費の負担額が0円になるなどの補償が受けられるため加入がおすすめです。
万が一ケガをしたり病気になってしまったりした場合への備えはしっかりしておきましょう。
小規模企業共済
一人親方は小規模企業共済にも加入しておくとよいでしょう。
小規模企業共済は、個人事業主や中小企業経営者向けの退職金制度です。
小規模企業共済は、月々少額から始められ、収入に合わせて調整できます。
掛金は税法上、全額を小規模企業共済等掛金控除として、課税対象となる所得から控除できるため、自身で積み立てるよりもおすすめです。
ただし、掛金は共済契約者ご自身の収入の中から払い込む必要があります。
事業上の損金または必要経費には算入できないので注意してください。
一人親方には退職金がないため、老後の資金は自分で準備する必要があります。
小規模企業共済に加入し、老後の資金準備をしておきましょう。
業務用銀行口座
一人親方として活動する際に、業務用銀行口座を開設しておきましょう。
資金の管理や確定申告が楽になったり、取引先からの信用も得やすくなったりするのが開設のメリットです。
反対に、個人口座で資金を管理すると、プライベートのお金とごちゃ混ぜになり管理がしづらくなります。
業務用銀行口座を開設すれば、業務負担を軽減でき、取引先との信頼関係も構築できるのでおすすめです。
会計ソフトの導入
一人親方がお金の管理をするうえで、必要なのが会計ソフトの導入です。
会計ソフトを導入すれば、簿記の知識がなくともお金の管理ができたり、確定申告にかける時間を効率化できます。
自身の予算状況も把握しやすくなり、高額の備品の購入などをする際の目安になるでしょう。
お金の管理に時間をかけずに済むため、会計ソフトは早めの導入がおすすめです。
一人親方のメリット
一人親方のメリットは大きく分けて3つあります。
- 会社員よりも収入が高い場合が多い
- オフィス代や人件費など削減できる
- 仕事に集中できる
それぞれ詳しく説明します。
会社員よりも収入が高い場合が多い
一人親方は、会社員よりも収入が高い場合が多いです。
会社員だと、ある程度給料が決まっています。
給料をあげるために免許や資格を取得しても、役職が上がるまでは年収が頭打ちになる場合が多いです。
しかし、一人親方の場合は、仕事の単価を交渉でき、仕事の量も自分で増やせます。
そのため、一人親方はある程度給料が決まっている会社員よりも収入が高い場合が多いです。
オフィス代や人件費など削減できる
一人親方の場合は、従業員を雇わないため、オフィス代や人件費などの固定費の削減が可能です。
従業員がいる場合は広いオフィスが必要ですが、一人親方であれば小規模のオフィスで済むため、家賃を削減できます。
また、人件費に関しても、一人親方であれば給料を支払う必要がありません。
中には従業員がいることで受けられる仕事もありますが、一人親方だとオフィス代や人件費を削減できるのが大きなメリットです。
仕事に集中できる
一人親方は従業員を抱えず、一人で仕事をします。
そのため、従業員との人間関係に悩まず仕事に集中できるのがメリットです。
従業員が増えれば、人間関係のトラブルも必ず起こります。多くの従業員がいれば、仕事だけではなく社内の問題に対処していかなければなりません。
一人親方であれば人間関係のトラブルへの労力が不要です。
自身の業務に集中できるのも一人親方のメリットといえるでしょう。
まとめ
一人親方になるには大変なこともありますが、メリットも多いです。
自由な過ごし方や高い年収を期待するのであれば、一人親方を目指してみましょう。
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