軽貨物ドライバーの需要は、インターネット通販の普及とともに拡大しつつあります。
どこにいてもスマートフォンひとつで買い物ができる昨今、軽貨物ドライバーのお世話になったことがない人は皆無と言っても過言ではないでしょう。
しかしそんな重要な仕事にも関わらず、インターネット上には「やめとけ」という言葉が散見されます。
社会を支えるインフラといっても過言ではなくなった軽貨物ドライバーが、なぜ「やめとけ」と言われてしまうのでしょうか。
この記事では、軽貨物ドライバーがやめとけと言われる理由とこの仕事に向いている人の特徴、軽貨物ドライバーの仕事内容を解説します。
これから軽貨物ドライバーを始めようと思っている人、なぜやめとけと言われるのか理由を知りたい人はぜひ参考にしてください。
軽貨物ドライバーがやめとけと言われる理由について
軽貨物ドライバーの需要は、インターネット通販の普及と新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴って爆発的に増えました。
日々多くの荷物を自宅や事務所まで運ぶ軽貨物ドライバーですが、インターネット上ではやめとけと言われることもあるようです。
その理由はいくつかありますが、主に言われている理由としては次のようなものがあります。
- 労働時間が長い
- 理不尽なクレーム
- 体力仕事
- 報酬が低い
いずれも軽貨物ドライバーが抱える問題ではありますが、世間からやめとけとまで言われる理由は何なのでしょうか。
それぞれ詳しく見てみましょう。
労働時間が長い
軽貨物ドライバーは、一般的なオフィスワークと比べて労働時間が長くなりがちです。
仕事を受けている運送会社によって実際の勤務時間は異なりますが、大まかな一日の流れは次のようになっています。
- 物流倉庫に出勤し、伝票を見ながら午前と午後に配送する荷物の仕分けを行う
- 午前に配送する荷物を軽トラックに積み込み、配送する
- 午前の配送が終わり次第物流倉庫に戻り、休憩時間を挟んで午後の荷物を積み込む
- 午後の配送が終わり次第物流倉庫に戻り、事務処理を行って退勤する
あくまで大まかな流れであるため、多少実際には異なる場合もあります。荷物の量はその時々によって異なりますが、クリスマス前や年末年始、お歳暮やお中元の時期などは配送業務だけでも非常に忙しくなるでしょう。
加えて配送終了後も伝票の事務処理を行わなければならず、気がつけば12時間以上勤務しているというケースも少なくないようです。
さらに軽貨物ドライバーの労働時間を長くしている原因として、再配達問題があります。
配送のためにお届け先に向かったものの、不在で再度配達しなければならなくなったというケースは少なくありません。
社会問題としても非常に注目されており、国をあげて再配達問題を解決しようという動きも見られます。
とにかくこれらの原因が重なった結果、軽貨物ドライバーは労働時間が長くなってしまうのです。
今後再配達問題などが解消されれば、ある程度労働時間の短縮が図れるかもしれません。
しかし現在の状況として、他の業界より労働時間が長いという事実は押さえておかなければならないでしょう。
理不尽なクレーム
配送業務を行っていると、ときどき理不尽なクレームを受ける場合があります。
軽貨物ドライバーに過失がある場合この限りではありませんが、中には本当に酷い内容でのクレームを受けることもあるのです。
具体的にはインターホンを押しても反応がなかったため不在票を置いて帰ったところ、営業所に「在宅していたのに荷物が届かなかった」と電話でクレームが入ることがあります。
何かしらの原因でインターフォンに気がつかなかった自分の責任を棚に上げてしまうお客様は、残念ながら少なからずいるのが現実です。
一般的にこれらのクレームはドライバーに直接言われるのではなく、委託先や営業所に電話がかかってきて伝えられるものです。
委託先や営業所に理解があれば「理不尽なクレーム」として処理されますが、理解がなかった場合は依頼主から叱られるだけではなく、契約解除となってしまう可能性もあります。
基本的に、クレーマーはどこにでもいるという観点に立つ必要があるでしょう。
もし理不尽なクレームにあったとしても、依頼主にこちらの言い分を聞いてもらえるような信頼関係の構築が重要です。
体力仕事
ひとつあたりの荷物が軽いのが軽貨物ドライバーの仕事の特徴ですが、それでも体力仕事であることに変わりはありません。
物流倉庫から荷物をトラックに積み込む作業はもちろん、お届け先に届けるまでに階段を昇り降りしたり、1日中軽トラックを運転したりと必要以上に体力を奪われるのがこの仕事です。
多い時には1日100件以上も荷物を配送する必要があり、場所によってはエレベーターのない団地を階段で登らなければならないことも珍しくありません。
また、雨や雪などの悪天候でもいつも通り配送しなければならず、こちらも体力が必要です。
重たい荷物を運ぶようなことこそないものの、配送するエリアの環境や天候に左右され体力を使うのは間違いありません。場
合によっては時間指定の荷物に追われたり、配送コースを覚えられず時間ギリギリまで配達したりすることもあるでしょう。
最初のうちこそ大変かもしれませんが、体力的な問題は日を追うごとに慣れていきます。
最初のうちはしんどいと思っていても、慣れてしまえば気になることはなくなるでしょう。
報酬が低い
報酬が低いというのも、軽貨物ドライバーがやめとけと言われる理由とされています。
運送会社によって多少差はありますが、配送する荷物の量が多くなれば、受け取れる報酬は増えていきます。
頑張れば正社員以上の給料を手にすることも夢ではなく、これを目的に独立する人もいるほどです。
しかし、軽貨物ドライバーとして独立してすぐの段階だと、報酬が低いケースも珍しくありません。
報酬を上げていくには信頼を勝ち取り、配送できる荷物の量が増えることが条件ですが、初心者にはどちらも高いハードルです。
こちらも体力勝負なところがある理由と同様、経験を積み重ねていくことで解消できる可能性が高いものです。
取引をする会社が多くなったり、自分なりの配送ルートや時間短縮の方法が見つかったりすれば、報酬が低いままになることはないでしょう。
最初から一攫千金を夢見ていると、理想と現実のギャップから報酬が低いと思ってしまう人もいるようです。
誰でも最初は初心者です。
軽貨物ドライバーにかかわらず、最初から大金を稼げると思わず地道に経験を積みましょう。
軽貨物ドライバーの仕事が向いている人
軽貨物ドライバーになろうと考えたことのある人は少なくないでしょう。
しかし、仕事が実際に続くかどうかというのは、また別の話です。
仕事には向き・不向きがあり、向いている人は世間一般がやめとけと言う理由に対しても、特に気にすることなく立ち向かっていくことでしょう。
軽貨物ドライバーの仕事が向いている人の特徴として、次のような特長があります。
- 運転が好きな人
- 地図を見るのが得意な人
- 体を動かすのが好きな人
- 1人業務が得意な人
上記のうちいずれかの特性を持っていると、軽貨物ドライバーとして長く続けられるかもしれません。
運転が好きな人
軽貨物ドライバーをはじめとするいわゆる運送業は、一日中車を運転していることも珍しくありません。
軽貨物ドライバーの場合は、決まったエリア内で多くの住宅や事務所を回るため、他の業種に比べると運転している時間が圧倒的に長くなります。
そのため長時間運転が苦ではない人、車の中で過ごすことに抵抗がない人は、軽貨物ドライバーに向いていると言えます。
あるいは車の運転が好きで、一日中乗っても飽きないという人も向いている人と言えるでしょう。
また運転スキルが高く、丁寧に車を扱う人も、軽貨物ドライバーに向いていると言われています。
事故を起こしてしまったり、すぐに車を故障させてしまったりする人は、配送の遅延や荷物の破損を起こしてしまう可能性があるためあまり向いているとは言えません。
地図を見るのが得意な人
地図を一日中眺めても飽きないという人も、軽貨物ドライバーに向いていると言われています。
最近はカーナビやスマホアプリで、地図が読めなくても目的地にたどり着くことが出来るようになりました。
しかし効率の良い配送ルートを導き出すのは、実際にその周辺を走ってみた経験や地図を見て配送を行うドライバーだからこそできるスキルです。
地図を見ていて道筋がある程度理解できるのが得意な人は、配送もスムーズに終わらせられるでしょう。
カーナビはスマホアプリに頼ることなく、自分で裏道や抜け道を見つけて配送ルートを決めるのも、軽貨物ドライバーとして仕事する上では欠かせません。
周辺の道路事情に詳しい人、その情報を掴むのが早い人も、軽貨物ドライバーに向いている人と言えるでしょう。
体を動かすのが好きな人
お客様のもとに荷物を届けるだけではなく、物流倉庫から軽トラックの荷物を積んだり下ろしたりする作業を伴うことから、体を動かすのが好きな人も軽貨物ドライバーに向いています。
住宅事情の変化で、一戸建てからアパートやマンションで生活する人が増えました。
その関係でエレベーターのないアパートやマンションに荷物を配送する際、運動が苦手な人よりも得意な人の方が、荷物を運ぶには適していると言われています。
軽貨物ドライバーが扱う荷物の中にも、ある程度重量のある荷物が存在しています。
これらの荷物をスムーズに運ぶためにも、体を動かすのが好きな体力自慢は求められているのです。
1人業務が得意な人
軽貨物ドライバーは、原則すべてのことを自分一人で行わなければなりません。
誰かのサポートを受けようと思っても、なかなか相談できる環境がないことは珍しくないため、1人での業務が得意な人が軽貨物ドライバーに適していると言われています。
やることは体力を使う仕事だけではなく、配送ルートを考えるロジカルな思考であったり、荷物の住所をもとに配送時間を考える計算能力などさまざまです。
取り立てて何かの資格が必要というわけではありませんが、これらの業務を1人で行うことに抵抗のない人が向いています。
軽貨物ドライバーの仕事内容
ひと口に軽貨物ドライバーといっても、大きく3つの仕事に分かれています。
- 宅配
- 企業配
- スポット配送
どの荷物を配送するかによって、どのような形式で配送するかによっても業務の内容が変わってきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
宅配
宅配はその名の通り、個人宅へ荷物を運ぶ軽貨物ドライバーの種類です。
荷物は小型・軽量のものが多く、一般的に知られている貨物ドライバーよりも軽めの荷物を運ぶ場合がほとんどです。
インターネット通販で購入したものを届けるのも宅配のひとつであり、近年その需要が増しています。
小さな荷物が多いものの、企業に配送する企業配よりも個数が多いため、効率的なルートを探して配送しなければなりません。
また、住宅の状況によっては階段の上り下りがついて回ることもあるため、体力が必要になる仕事でもあります。
企業配
企業配とは、企業に荷物を届ける軽貨物ドライバーの業務のことを指します。
宅配よりも重く大きな荷物が多いのが特徴で、1回で大量の品物を運ばなければならないケースもあります。
宅配と違って再配達の可能性が低い点、同じ場所に配送するためルートを覚えるのが簡単な点が企業配のメリットです。
反面、荷物ひとつあたりの重量がそれなりにあることがほとんどであるため、宅配よりも体力が必要になる点がデメリットと言われています。
スポット配送
スポット配送とは、継続ではなく単発で配送する配達のことです。
軽貨物ドライバーの中庭スポット配送を請け負っている人もおり、特定の運送会社と長期にわたって契約をしない働き方を取っている人もいます。
定期的における配送型の定期便と呼ばれるものもスポット配送の一種であり、荷主の要望に応じて配送サービスを行います。通
常の配送業務よりも時間の余裕がある反面、基本的には単発で終了してしまうため、他の継続的な収入源が必要です。
軽貨物ドライバーのよくない働き方
軽貨物ドライバーとして長く働きたいのであれば、次のような働き方は絶対にしてはいけません。
- 仕事量を増やしすぎる
- クレームに繋がる配達内容
いずれも体がもたなくなったり、信用を失ったりして軽貨物ドライバーとして活躍できる機会を失ってしまうような働き方です。このような働き方は、肉体的にも精神的にもおすすめしません。
仕事量を増やしすぎる
軽貨物ドライバーの報酬は、仕事が入れば入るほど稼げる仕組みとなっています。それに魅力を感じて独立・開業する人も大勢いますが、むやみに仕事を増やしすぎ、体を壊すようなことがあってはいけません。
ドライバーの資本は体です。その体を大事にしない働き方は、ドライバーとして感心されるものではないでしょう。
自分の休息も取れるような仕事量だけを取るようにしてください。
クレームに繋がる配達内容
時間指定がされているのに配送時間が守れない、荷物の扱いが雑など、クレームに繋がるような配達をしてはいけません。
お客様からのクレームはもちろん、配送を担当した近隣の人からもクレームが寄せられ、仕事に影響が出てしまうでしょう。
言い換えれば、その人に責任感ややる気がどこまであるかによって、クレームに繋がるような配達になってしまうか否かが決まります。
「誰でもできる簡単な仕事」と甘く見ることなく、荷物を配達するお客様がいること、配達を見守っている近隣の方々がいることを忘れてはいけません。
まとめ
軽貨物ドライバーは、労働時間が長かったり体力を必要としたりといろいろと大変な思いをする仕事です。
そのためインターネット上では「やめとけ」と言われてしまうのも、ある意味無理もないかもしれません。
しかし、軽貨物ドライバーの仕事が好きで従事している人がいるのも事実です。
また向いている人にとっては、一般にやめとけと言われる理由がデメリットに映らないこともあるでしょう。
自分の適性をよく見て、軽貨物ドライバーになるかどうかを決めるようにしてください。
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