さまざまな働き方の選択肢が増え、副業としても軽貨物ドライバーの人気が高まっています。
軽貨物ドライバーをはじめるときに、フリーランスなのか委託なのか悩む方もいるでしょう。
どちらを選択しても個人事業主として軽貨物ドライバーをすることになりますが、できれば稼げる方を選びたいものです。
本記事では、働き方の種類やメリット・デメリット、平均収入をまとめています。
軽貨物ドライバーをはじめるにあたっての注意点も紹介しています。これから軽貨物ドライバーとして活動したいと考えている人、独立も一歩が踏み切れないという人は、ぜひ参考にしてください。
軽貨物ドライバーの働き方の種類
軽貨物ドライバーとして働く方法は、以下の3つが考えられます。
- 社員
- 委託
- フリーランス
それぞれが持つメリットデメリットは大きく異なります。以下で詳しくみていきましょう。
社員
社員ドライバーは、運送会社と直接雇用契約を交わして働く方法です。
安定的な給料を見込めるほか、社会保険や厚生年金に加入できるなどメリットがあります。
社用車での配送業務となり、ガソリンやメンテナンス代、車両維持費などの諸経費は会社が負担します。
安定的で個人負担がない一方、長時間労働や変則的な勤務を要求されることがあるでしょう。
自由度という面では、今回紹介する3種類の中では最も少ないと考えていいかもしれません。
加えて、会社独自のノルマやルール、複雑な人間関係に対応できるスキルが必要です。
人に合わせたり会社のルールを守るのが苦手という人は、正社員での軽貨物ドライバーはあまり向いていないと言えます。
委託
業務委託ドライバーは、運送会社と業務委託契約を交わして働く方法です。
開業届を出し個人事業主として働くため、年齢制限がなく未経験でも参入しやすいのが特徴です。
配達する荷物の個数に応じた歩合制の契約が多く、配送の数をこなせるほど収入アップが期待できます。
はじめのうちは仕事が少なく、思ったよりも稼げない可能性があります。
しかし、慣れてくると正社員やそれ以上の収入も期待できるかもしれません。
正社員と違って人間関係で悩むことが少ないことも魅力のひとつです。
正社員と異なるデメリットは、車両準備やガソリン・メンテナンス代などの車両維持費が自己負担である点です。
自分で確定申告をしなければならなかったり、委託手数料や任意保険の加入などで個人負担が増えたりする傾向にあります。
ただし例外もあり、委託会社によっては車両を用意してくれる場合や安定的に仕事を紹介してもらえる場合があります。
委託手数料が低い大手の仲介会社や委託先を利用すると個人負担を軽減できるでしょう。
フリーランス
フリーランスは、会社や委託先に属することのない個人事業主として、直接クライアントから仕事を得る働き方です。
委託手数料を引かれることがないため、働いた分がそのまま自分の収入になります。
仕事量や勤務時間など、ある程度自分の裁量で決められるのが特徴です。
働くほど収入が多くなりますが、怪我や病気などで仕事ができなくなると収入が大幅に減るリスクが生じます。
仕事を得るための信頼関係や営業力が高くないと、安定的な収入を得続けるのは難しい傾向にあるでしょう。
委託ドライバーと同様に、自前の車両やガソリン・メンテナンス代、任意保険などは自己負担となります。
反面、自分が働きたいときに仕事ができるため、自由度が高い働き方や将来的に事業拡大をしたい方におすすめです。
本記事では、委託とフリーランスの働き方を比較して、どちらが稼げるのかを見ていきます。
軽貨物ドライバー委託
軽貨物ドライバー委託のメリット・デメリットはどのようなものでしょうか。
メリット・デメリットを把握して総合的に判断するようにしてください。
メリット
軽貨物ドライバー委託のメリットは、次の3点です。
- 年齢制限がなく未経験でもすぐにはじめられる
- 初期投資が少ない
- 会社に属することや人間関係の悩みが減る
年齢や経験に関係なく、未経験でもすぐにはじめられることが委託ドライバーのメリットです。
委託先によっては車両をレンタルしてくれるため、初期投資が少なくはじめられることもあります。
会社のルールやノルマ、人間関係で疲弊することも少なくなるかもしれません。
運転が得意な人はすぐにコツを掴んで楽しく稼げるでしょう。
軽貨物ドライバーは1日中運転することも少なくありません。
運転が好きな人や得意な人でなければ、軽貨物ドライバーには適していないと考えるのが妥当です。
デメリット
メリットが多い反面、デメリットのあることにも注意が必要です。
委託の軽貨物ドライバーのデメリットは以下が挙げられます。
- 休みが取れないことがある
- 事業拡大が難しい
毎日委託先から仕事を割り振られるため、ある程度安定的な収入は得られますが、怪我や病気、冠婚葬祭などでも休みづらいことがデメリットです。
仮に休んだとしたら、その日の代走ドライバーを探さなければいけません。
代走ドライバーが見つからなければ、次の日に休んだ分と合わせた倍の仕事をこなす必要があります。
また、委託先によっては案件の上限があるため、仕事量や単価を上げることや事業拡大はあまり期待できないかもしれません。
また、働いた分から委託手数料が引かれます。
働いた分がそのまま収入にならないため、割に合わないと感じることもあるでしょう。
働いた分はそのまま給料として反映されて欲しいと言うのであれば、委託よりもフリーランスで活躍するのがおすすめです。
軽貨物ドライバーフリーランス
軽貨物ドライバーフリーランスは自由な働き方ができるため、希望する方が増えています。
メリット・デメリットはどのようなものでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット
軽貨物ドライバーフリーランスのメリットは以下が挙げられます。
- 仕事が合わなかったらやめられる
- 頑張りしだいで高収入が得られる可能性
- 事業拡大すれば法人化も視野に
仕事や取引先との相性が合わなかったらすぐにやめられること、働く時間をある程度自分の裁量で決められること、頑張れば高収入が得られることがメリットです。
事業が軌道に乗れば法人化も視野に入れられるでしょう。
将来は運送会社の社長として活躍したいという人は、フリーランスの軽貨物ドライバーから始めてみるのもひとつの方法です。
デメリット
軽貨物ドライバーフリーランスのデメリットは、仕事が不安定で収入がなかなか安定しない点です。
毎日決まった量の仕事が安定的にあるわけではないため、収入が不安定になりやすいことです。
個人の営業や配送スキルに仕事量が影響するため、いつ仕事がなくなるかわからないリスクを抱えながら生活することが想定されるでしょう。
また、会社に属していないため、配送に関わること全てに責任を負わなければいけません。
万が一のリスクに備え、個人での保険加入やある程度の貯蓄をするなどの対策が必要となるでしょう。
自由に働けるのが最大のメリットのフリーランスですが、その自由度の反面、仕事の量や収入にムラがあることはきちんと理解しておくべきです。
軽貨物ドライバーの平均収入
軽貨物ドライバーをはじめようとしている方の中には、平均収入を気にしている人もいるかもしれません。
平均月収を例にして会社員、委託、フリーランスの順にみていきましょう。
種類 | 平均月収 |
---|---|
会社員 | 250,000〜500,000円前後 |
委託 | 220,000円前後 |
フリーランス | 300,000円前後 |
会社員
所属する企業や業務形態によって異なりますが、平均月収は250,000〜500,000円です。
入社後は低くてもベテランになると600,000円以上になることもあります。
企業によっては昇給するペースが早いこともあるため、、比較的収入が上がりやすいといえるでしょう。
委託
契約する運送会社や配送地域により異なります。例を挙げると、単価1個150円を1日100個配送した場合、15,000円の売上です。
そこから経費と委託手数料が引かれるため1日10,000円前後と考えます。月22日稼働したと仮定した場合の平均月収は220,000円前後です。
ベテランになると平均月収の倍近くは稼ぐことも可能です。荷
物が多い地域では、さらに上の収入も期待できるでしょう。大手運送会社と契約すると稼ぎやすい傾向にあります。
フリーランス
フリーランスの平均月収は、300,000円前後です。フリーランスは委託手数料が引かれないため、委託よりも手取り分が増えています。フリーランスは自分でクライアントを探せるため、より条件の良い仕事へとシフトできます。
例を挙げると、高単価の仕事の中でもネットスーパーの配送は単価が高めです。土日・祝日も稼働することが多いですがその分稼げるでしょう。
報酬は日当制と単価制があり、単価制では1個500円前後の高単価になる場合も。
ネットスーパーの配送を主にした場合は、月収400,000円前後を見込めます。
フリーランスは自分の頑張りしだいで稼げるため、これ以上の収入も期待できるでしょう。
軽貨物ドライバーの注意点
軽貨物ドライバーをはじめるにあたり、注意しなければならない点があります。以下のことに注意して、軽貨物ドライバーをはじめる準備をしましょう。
- 荷物の数
- ガソリン代
- 保険
荷物の数
一般的なドライバーが1日に配送する目安として、70~120個とされています。
100個以上になると、休憩時間が短くなり拘束時間も増えるため忙しく感じるでしょう。軽貨物ドライバーをはじめた頃は単価が低いうえに、慣れないことが多くあります。
独立初期はあまり稼ぐことを意識せず、配送業務に慣れることを優先しましょう。
ベテランになれば徐々に配送単価が高くなっていく傾向にあります。
配送業務に慣れているため、1日120~170個ほどの配送も可能となるでしょう。
ガソリン代
委託やフリーランスのドライバーは、ガソリン代が自己負担です。
走行距離や配送ルートにもよりますが、月平均で30,000円〜60,000円のガソリン代がかかります。
毎月のガソリン代をなるべく抑えるためには、効率良いルート探しなどの工夫が必要です。
加えて、ガソリン代以外にも毎月の駐車場代や2年に1度の車検代もかかることを頭に入れておかなければなりません。
保険
軽貨物ドライバーへの加入が義務化、もしくは勧められている4つの保険について解説します。
- 自賠責保険
- 任意保険(対人・対物・車両)
- 貨物保険
- 一人親方保険
自賠責保険は別名強制保険と言われており、加入が義務化されている車両保険です。
任意保険は自賠責保険で補償されない部分の保険で、車両保険有りの場合の方が保険料は高くなりますが、対人・対物や事故・いたずらや自然災害に対しても補償されます。
特に配送業務では、運転の頻度が高くなる以上、対人・対物のトラブルに巻き込まれる可能性も高くなります。
リスクや無用なトラブルを回避するためにも、対人・対物の任意保険にも併せて加入しておくと良いでしょう。
車は大切な仕事道具なため加入をおすすめします。
余裕があれば貨物保険の加入も検討してみてください。
配送時の破損や紛失、盗難などに適用されます。個人加入が必須条件の委託先もあるため契約時に確認してください。
思いがけない怪我や事故などに適用される一人親方保険の加入もおすすめです。
月額3,000円前後の保険料で、治療費が無料になります。万が一、働けなくなっても、休業4日目からは休業補償が適用されます。支給額は基礎日額の80%なため、収入がゼロになる不安が軽減されるでしょう。
なるべく経費負担を増やしたくないと考えてしまいがちですが、自動車保険への加入は最低限、余裕があれば貨物保険や一人親方保険への加入をおすすめします。
まとめ
軽貨物ドライバーはフリーランスの方が、高単価の仕事にシフトしやすいため稼げるといえます。
委託での配送業務に慣れ、人脈を広げてからフリーランスを目指すのも良いでしょう。
もちろん、自信や経験がある人ははじめからフリーランスになってもいいかもしれません。
自分の求める収入や経験値などを見つめて、どちらからスタートするかを決めてください。
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