「エアコンの掃除は夏前に済ませておきたい!」というご家庭は多くあります。
現代では、冷房を使用せずに夏を乗り切ることは家電に対しても、ペットに対しても、そして自分たちに対しても決して健康的な判断とは言えません。
35度を超えることが稀だった昭和までの時代と比べ、平成後期以降は日照が消えた夜間でも40度を超える日が多発するようになってしまいました。
そんな猛暑が続く現代だからこそ、早い段階でエアコンを掃除して冷房を高効率で稼働させなければならないのです。
しかし、掃除に業者を毎回呼ぶのは費用がかかってしまいます
そこで、ある程度の掃除は自分でやってみてはいかがでしょうか。
エアコンのルーバーの外し方さえわかってしまえば、猛暑前の大掃除は毎回自分でできるようになります。
エアコンルーバーを外す際の注意点
エアコンの主要部品は「プラスチック」です。
無理な力をかければ簡単に割れてしまうため、分解には慎重にならなければならないのです。
特に、エアコンルーバーは可動部分であるため、割れてしまってもテープ止めしてしまえば応急処置ができるという部分ではなくなります。
一つひとつの取り付けをしっかりと確認して、外した部品が全て無くならないように管理し、最終的には最初と同じように設置できるように再三の確認に確認を重ねるようにしましょう。
電動か手動か確認
エアコンの吹き出し口についているエアコンルーバーは、手動で動かすタイプと電動で自動に動くタイプが存在します。
最新式のエアコンであれば、どこに人間がいるかをセンサーでスキャンして、直接風が当たらないように、それでいて快適な温度で過ごせるように風向や風量を調節してくれるものさえあります。
風向調節が自動で行われるものは基本的に「電動」となり、電源が入った状態では動かせません。
電源を抜き、待機電力が放電されるのを待ってから作業しなければ、最悪の場合壊れてしまいます。
エアコンルーバーにつまみがついていたり、直接羽の方向を変えることで風向変更するタイプのものは、当然「手動」となります。
このタイプは基本的にはめ込むだけで止まっているため、無理な力を加えなければ壊れることはありません。
しかし、エアコンルーバーはかなり軽く作られているため、経年劣化によりプラスチックの硬化が進んでしまうと取り外す際に折れてしまうこともあるので、電動と手動の確認をする際にも無理な力は入れないようにしましょう。
電源を抜く
電気機器の修理をする際は、必ず電気の元を絶ってください。
これは漏電対策や感電対策であると同時に、誤作動によるケガを負わないための最重要項目になります。
電源を抜いても、すぐに電気が0になるわけではありません。
電気機器には「待機電力」という「いつでもスムーズに動き出すための電気」がほんの少し貯められています。
この電気を放出させるのに、一般的には5〜10分かかると言われているので、エアコンの修理や掃除を行う日は、あらかじめ電源を抜いておくことをおすすめします。
電源を抜いた際、エアコンの中に溜まっている水が漏れてくることがあります。
壁や天井に設置されている場合がほとんどですが、エアコン直下やその周囲には濡れたら困るものを放置するのはやめましょう。
劣化している物は外さない
見た目で劣化がわかるような場合は、最初から手を出さないようにしましょう。
まだメーカーで新品のパーツを取り扱っている場合は取り寄せられるのですが、あまりにも劣化が進んでいるエアコンの場合、パーツ交換ができずに廃棄しなければならない状況になってしまいます。
プラスチックパーツは、割れてしまうと修復するのが困難です。
新品パーツを運よく発注取り寄せできたとしても、100%設置できるとは限りません。
同じ品番でも、製造年が異なることで改良されていることもあります。
その場合、うまく設置できなかったり、寸法そのものが変わってしまっていることもあるため、明らかに劣化してしまっているパーツに関しては、残念ながら手を触れないようにしましょう。
エアコンルーバー取り外し手順
エアコンルーバーは、製造メーカーによって多少外し方が変わってきます。
しかし、共通する部分も多くあるため、一般的なエアコンルーバーの取り外し手順に沿ってご紹介します。
全ての作業に共通する「無理に力を入れない」を徹底しながら作業してみてください。
全面パネル取り外し
エアコンフィルターのカバーとなる全面パネルは、ビス止めではなくクリップによるはめ込みで取り付けられています。
開く方向に持ち上げると外れるものが多く、中には指定方向へズラすことで外れるもの、つまみを握ることでロックを解除できるものなど様々です。
どの方法で取り外せる場合でも、過度に力を入れるのは厳禁ですので注意しましょう。
全面パネルがなくなってしまった場合、スムーズな空気の流れが作れなくなってしまい、室温を調整する能力が一気に下がってしまいます。
絶対に力の入れ過ぎには注意してください。
ルーバー取り外し
ルーバーは上下方向と左右方向の2つで構成されています。
エアコンの吹き出し口についているフラップが上下方向のルーバー。
中側や上下方向のルーバーに付いている羽が、左右方向のルーバーです。
上下方向のルーバーは、基本的に電動ルーバーになります。
直接モーターに一端が差し込まれており、電源が入ると設定位置に回転するタイプです。
一般的には、モーターを取り外すことで上下方向のルーバーを取り外すことができます。
モーターが外れた側に余裕ができ、ルーバーをズラすと逆方向の支え棒が抜けます。
そのまま斜めにし、他の部分に干渉しないように抜き切れば取り外し完了です。
この際、他のセンサーがついていることもあるので、抜き取る前にルーバーに配線がつながっていないかを必ずチェックしてください。
左右方向のルーバーは、手動であれば溝や差し込みを上手く外してやるだけで取り外せます。
手動のルーバーの場合、取り付け部分が厚みの薄い柔軟なプラスチックで作られていることが多いため、ほんの少し捻るだけで外れるように作られています。
過度に曲げないように注意してください。
電動ルーバーだった場合は、ポジションセンサーが必ず設置されています。
取り外す際に配線を切らないように注意しましょう。
ビスの取り外し
エアコンのビスは基本的に「隠しネジ」になっています。
蓋をつけられていたり、パーツによって見えないように隠される場所に設置されているネジのことです。
ルーバーを外すだけであれば、モーターのビスとセンサーの固定ビスを外すだけで問題なく取り外せます。
さらに外殻のカバーやその他パーツまで取り外す際には、もっと別の場所に隠されたビスを取り外さなければなりません。
エアコンルーバーの掃除方法
エアコンルーバーの掃除は、比較的簡単に行えます。
エアコンを使い始める前にしっかりと掃除して、悪臭や菌の拡散を防げるように対策をしておきましょう。
掃除方法を知って、掃除の際に使う道具を用意して、エアコンシーズンに備えましょう。
ほこりやカビの除去
エアコンの中を覗くと、黒く点々と広範囲にわたり付着物が確認できると思います。
この全てがほこりとカビです。
このほこりとカビを掃除する際には、必ずマスクを着用するようにしてください。
普段の室内や外からの風で入り込んだ雑菌の温床になります。
病気をした方がいる場合、その菌がエアコンの奥で息を潜めているのが、この黒い物体になります。
ルーバーに付着しているほこりやカビは、取り外せる部分を全て外した状態で屋外や浴室で洗い流すのが一番早い対処方法です。
ほこりは勢いの良い水で洗い流すこともできますが、カビは表面に見えている部分しか取り除くことができません。
そのため、しっかりと根こそぎ掃除するには、カビに対応できる溶剤を使用しましょう。
中性洗剤やハイター
エアコンの内部にほこりやカビが付着してしまうのは、プラスチックと風の摩擦によって生まれる静電気が関係してきます。
エアコンが動いている時、必ず風が流れ続けまていますが、この際にルーバーやエアコンの内壁に静電気が発生し、フィルターで取りきれなかった空気中のほこりが部分的に吸い寄せられてしまいます。
この静電気を抑制するために使用するのが「中性洗剤」です。
汚れを落とす役目はもちろんですが、後から発生する静電気の抑制のために中性洗剤の油分が効果を発揮してくれます。
また、カビの根っこを攻撃するのは塩素系漂白剤の「ハイター」です。
カビの除去用洗剤の多くは塩素を使用しています。
黒い物体が付着していた部分だけでなく、ルーバーの全体にハイターを吹きかけておくことで、まだ現れていなかったカビにも対応しましょう。
吹き出し口も洗浄
エアコンの吹き出し口から中を確認すると、ルーバーに付着していたほこりやカビがびっしりと確認できるかもしれません。
これまでに掃除をしたことがないエアコンの場合、マスクをしないで覗き込むのは相当危険です。
ここから見える範囲は、できるだけ掃除しておくことをおすすめします。
しかし、中性洗剤やハイターを吹きかけるには、電気製品であるため注意しなければなりません。
専門業者にエアコン洗浄をしてもらう際、コンデンサーや内壁のみに水を吹きかけているため、配電盤や他の電装部分にかからなければ壊れません。
外殻や内羽まで取り外した場合、完全に拭き掃除ができますが、ルーバーより先は知識を持たずに分解するのはやめておきましょう。
エアコンルーバーを掃除するメリット
エアコンの内部の汚れを知っている専門業者からすると「エアコンルーバーだけを掃除しても仕方がない」と言いますが、専門の道具や知識を持たない一般家庭からすれば十分に意味のある行為です。
エアコンルーバーの掃除をすることで得られるメリットについて考えてみましょう。
綺麗な空気
汚れが減れば、その分綺麗な空気が部屋の中を流れることになります。
確かに分解や洗浄をしなければ、汚れが0になることはありません。
しかし、エアコンの洗浄をしてもらった場合でも、洗浄液が届かない場所には汚れが残っているものです。
つまり、完全に汚れを落とすのはプロでも難しいということになります。
エアコン内部の汚れを取りきれなかったとしても、できる限りの汚れを排除できればその分綺麗な空気が動きます。
定期的に掃除するだけで、それ以上汚れた空気にはなりません。
特に、エアコンルーバーは吹き出し口の最後の部分に取り付けられているパーツのため、綺麗になっていなければ汚れを撒き散らしているのと変わらないと言えます。
エアコンルーバーを綺麗にしておくということは、綺麗な空気を維持する最低限の対応なのです。
エアコンの寿命が延びる
定期的に掃除しておくだけでも、エアコンの寿命は延びます。
電気的に壊れてしまった場合は仕方ありませんが、汚れがたまることでカビが大発生してしまい、掃除だけでは対処しきれなくなってしまうことがあります。
掃除機のフィルターと同じで、汚れたままでは効果を発揮できないのです。
エアコンルーバーの場合、吸い込みではなく吐き出しの際に空気を邪魔してしまいます。
しかも、汚れを撒き散らす状況で使用していれば、家族の健康にも悪影響です。
エアコンルーバーを外すだけでも、かなりの量のほこりの堆積を確認できますし、そのほこりを除去するだけでもルーバーの動きをスムーズにできるようになるのです。
動きがスムーズになるということは、エアコンに無理がかからないということになります。
無理な力を発揮する際には、通常以上の電気を使用しなければならず、可動部にあるモーターが壊れる原因になってしまうのです。
温度効率がいい
ゴミが入っていないということは、空気の流れがスムーズになるということです。
そのおかげで、エアコンの中で温度変化させた際にも滞りがなくなるのです。
ほこりがたまっていると、そこには温度が残っていることになります。
いわばほこりは布団です。
温かいものや冷たいものがそこにあり続けてしまうため、冷やしたくても冷やし辛く、温めたくても氷が中に残っているような状況になってしまうのです。
ゴミを排除して、エアコンがしっかりと温度調節できる環境を作っておきましょう。
まとめ
エアコンルーバーの掃除は、健康的な暮らしを送る上で必要な作業です。
自分で掃除できるようになれば、気になったときに掃除できるので、常に綺麗な空気の中で過ごせるようになるでしょう。
また、ルーバーの掃除が上手くできた場合は、エアコンの取り付けも自分で行えるようになるかもしれません。
「エアコン作業が得意かもしれない」と感じたらぜひ、エアコンの取り付けに挑戦してみてください。
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